絵師・画師(読み)えし

精選版 日本国語大辞典 「絵師・画師」の意味・読み・例文・類語

え‐し ヱ‥【絵師・画師】

〘名〙 (「し」は、もとサ変動詞「す」の連用形で、その業を専門とするものの意。「師」はあて字)
① 絵をかくことを業とする人。絵かき。画家
※霊異記(810‐824)上「絵師を召し請けて言はく、彼の法師の容の如く、誤らず絵きて持ち来たれ〈興福寺本訓釈 絵 音恵反〉」
② 令制で、中務省画工司(えだくみのつかさ)に属する画工。寺院建立、用度の調整などの彩色その他に従事した。定員四人。なお、この官司は大同三年、漆部司とともに内匠寮(たくみりょう)に併合された。〔令義解(718)〕
③ 平安末期以後の、院や幕府の絵所に属した画工。諸寺社にも画局が設けられ、僧形絵仏師が属した。
吾妻鏡‐元暦元年(1184)八月一九日「絵師下総権守為久帰洛。賜御馬〈置鞍〉已下餞物云々」
④ 江戸幕府の職名。絵所に属し、専門の画家として仕える職。狩野派と土佐派の二流があった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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