総括的貿易バランス論(読み)そうかつてきぼうえきばらんすろん

世界大百科事典(旧版)内の総括的貿易バランス論の言及

【重商主義】より


[重金主義から貿易差額主義への転換]
 この転換は,第1次土地囲込み運動と国内産業の発展とに基づいて進行し,直接には1620年に始まる毛織物輸出の不振と国内の貨幣不足とを契機とする〈外国為替論争〉(歴史上最初の経済論争)によって表面化した。この論争は,重金主義者G.deマリーンズと貿易差額論者E.ミッセルデンおよびT.マンとの間で行われ,前者が直接的,個別的な貿易統制政策による貨幣的富の国外流出防止と流入促進とを主張したのに対し,後者は総括的貿易バランス論を主張し,最終的にはマンの主著《外国貿易によるイングランドの財宝》(1664,死後出版)によって体系化された。A.スミスはこのマンの主著を〈すべての他の商業国の経済学の基本的命題になった〉ものと評価し,それ以来この著書は長いあいだ重商主義の古典とみなされてきた。…

※「総括的貿易バランス論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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