日本大百科全書(ニッポニカ) 「総持寺(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説
総持寺(和歌山県)
そうじじ
和歌山県和歌山市梶取(かんどり)町にある西山(せいざん)浄土宗の寺。受陽山(じゅようさん)智足院(ちそくいん)と号し、俗に梶取本山という。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。赤松義則(よしのり)の子明秀光雲(みょうしゅうこううん)を開山とし、1450年(宝徳2)開創。1541年(天文10)第11世哲翁託賢(てつおうたくけん)のとき後奈良(ごなら)天皇、ついで1568年(永禄11)に正親町(おおぎまち)天皇の勅願所となる。1585年(天正13)豊臣(とよとみ)秀吉の兵火により一山は破壊されたが、豊臣秀長が復旧。歴代領主の信仰厚く、和歌山における浄土宗の根本道場となる。寺宝の阿弥陀像は「躍(おど)り仏」の故事により有名である。絹本着色釈迦(しゃか)三尊像は国重要文化財。
[清水 乞]