縦横・従横(読み)じゅうおう

精選版 日本国語大辞典 「縦横・従横」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐おう ‥ワウ【縦横・従横】

〘名〙
① たてとよこ。南北東西。たてよこ。
※正法眼蔵(1231‐53)山水経「水之道は上下縦横に通達するなり」
② (━する) たてやよこに曲がりくねること。また、たてやよこに通じていること。転じて、いたるところ、どこにでも存在すること。四方八方
※連歌比況集(1509頃)「無常観念怠ることなく阡陌縦横の道を踏ずとも」 〔王延寿‐魯霊光殿賦
③ (形動) 混乱、混雑していること。統一がなくごちゃごちゃしていること。種々さまざまであること。また、そのさま。
※小右記‐永祚元年(989)三月一五日「依事疑問陰陽家、所申縦横」
今昔(1120頃か)一「神通を以て諸の綵女の身体・服飾を縦横に成て不令端(ただしからし)めず」 〔漢書‐谷永伝〕
④ (形動) (━する) 自由自在であること。思うままに動くこと。心のままにふるまうこと。また、そのさま。
※懐風藻(751)秋日於長王宅宴新羅客〈下毛野虫麻呂〉「琴書左右、言笑縦横」
※太平記(14C後)一六「縦横(ジウワウ)に合戦をせんずる便よかるべしとて」 〔後漢書‐周挙伝〕
⑤ 合従(がっしょう)連衡(れんこう)中国戦国時代に、時勢をみて諸国君主を説き、国々をたて、またはよこに連合させようとした策略家の策。しょうおう。
※古文真宝桂林抄(1485頃)坤「縦横のことが大義なぞ」 〔魏徴‐述懐詩〕
和算で、長方形の称。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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