繊毛虫(読み)せんもうちゅう

精選版 日本国語大辞典 「繊毛虫」の意味・読み・例文・類語

せんもう‐ちゅう【繊毛虫】

〘名〙 繊毛虫類に属する原生動物総称

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「繊毛虫」の意味・読み・例文・類語

せんもう‐ちゅう【繊毛虫】

原生動物一群の総称。体表繊毛に覆われ、細胞核には大核小核とがある。ゾウリムシラッパムシツリガネムシなど。滴虫てきちゅう類。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「繊毛虫」の意味・わかりやすい解説

繊毛虫 (せんもうちゅう)

繊毛虫亜門Ciliataに属する原生動物の総称。ゾウリムシラッパムシツリガネムシなどが含まれ,大部分淡水海水で自由生活するが,寄生性のものも少なくない。原生動物中,もっとも分化の進んだ類で,鞭毛虫類から生じたものであろうと考えられている。体は繊毛で覆われ,生活機能を統制する大核と生殖に関係する小核との2種の核があり,そのほかに細胞口,細胞咽頭,食胞,収縮胞などがある。繊毛の働きで水流を起こし,体を移動させながら餌をとっている。無性生殖では二分裂あるいは出芽を行い,有性生殖ではおもに接合が行われる。

 繊毛虫類は全表面に一定の長さの繊毛を生ずる全毛類Holotrichaと,多くの繊毛が2~3列に密生して小膜をつくり,これらが並んで口前膜をつくる螺旋らせん)毛類Spirotrichaとに大別されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「繊毛虫」の意味・わかりやすい解説

繊毛虫【せんもうちゅう】

滴虫とも。原生動物の一門。体表は繊毛でおおわれ,代謝に働く大核と生殖作用に関係する小核をもつ。海水,淡水に広く分布し,自由生活を行うものが多いが,寄生生活を営むものもある。ゾウリムシツリガネムシラッパムシなど。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android