纏付(読み)まとわりつく

精選版 日本国語大辞典 「纏付」の意味・読み・例文・類語

まとわり‐つ・く まとはり‥【纏付】

〘自カ五(四)〙
① 物の周囲にからまる。
潮騒(1954)〈三島由紀夫〉九「風呂屋の軒には〈略〉木彫が施され、湯気はその軒にまとはりついた」
② からむようにつきまとう。まといつく。まつわりつく。
ノリソダ騒動記(1952‐53)〈杉浦明平〉一「ブローカーがまとわりついて」

まとい‐つ・く まとひ‥【纏付】

[1] 〘自カ五(四)〙 物の周囲にからまる。また、からむようにつきまとう。まつわりつく。まついつく。
発心集(1216頃か)四「次第に悉くまとひつくを、驚てさくれば」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒まといつける(纏付)

まつわり‐つ・く まつはり‥【纏付】

〘自カ五(四)〙 離れないようにくっつく。からむようにつきまとう。まとわりつく。
※あきらめ(1911)〈田村俊子〉五「貴枝は嬉しさうに富枝の傍へ寄り附いて姉の手を自分の肩にかけたりしてまつわり付いた」

まとい‐つ・ける まとひ‥【纏付】

〘他カ下一〙 まとひつ・く 〘他カ下二〙 周囲にからませる。まつわりつかせる。
諸国風俗問状答(19C前)阿波国風俗問状答「餠をちぎり丸く小き団子の様にして、其柳の枝端よりまとひ付け」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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