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置く・措く・擱く おく

大辞林 第三版の解説

おく【置く・措く・擱く】

( 動五[四] )
物や人をある場所に据える。
物にある場所を占めさせる。その場所にあるようにする。 「眼鏡めがねを机の上に-・く」 「通路に物を-・くな」 「困難な状況に-・かれている」
設備・機関・役職などを設ける。 「大阪に支社を-・く」 「各階に喫煙室を-・く」 「組合に書記を二名-・く」
自分の家にある人を住まわせて生活させる。また、他人を雇って住み込ませる。 「二階に弟夫婦を-・く」 「下宿人を-・く」 「別荘に留守番を-・く」
人や物に役割を与えて機能させる。 「秘書を-・く」 「未知数を x と-・く」
(「擱く」とも書く)(手に持って使っていた道具を下に置く意から)その道具を用いて行なっていた動作をやめる。 「筆を-・く」 「箸はしを-・く」 「巻かんを-・く」
ある数値を表すように算盤そろばん・算木さんぎや計算機のキーを操作する。 「初めに一万と-・く」
他者を支配した状態にする。 「多数の会社を支配下に-・く」 「近隣諸国をその影響下に-・いている」
目標点や中心をある場所に定める。 「目標をどこに-・くかによって方法は変わってくる」 「座標軸をここに-・く」
その物だけを他とは別にする。
物や人をある場所に残したままそこを離れる。 「身ぐるみ脱いで-・いていけ」 「書類を事務所に-・いてくる」 「妻子を東京に-・いて札幌に単身赴任する」
(多く「措く」と書く)その状態のままにして活用・考慮の対象としない。ほうっておく。 「彼のような有能な人物をこのままで-・くのは惜しい」 「費用のことはひとまず-・くとして、先に日取りを決めよう」 「聞き-・く」 「捨て-・く」
(多く「措く」と書く)除外する。 「会社の発展を図るには、今を-・いて機会はない」 「この仕事には彼を-・いてほかに適任者はいない」
間隔を設ける。間をあける。 「一軒-・いて隣の家」 「少し冷却期間を-・いた方がいい」
(「…に信を置く」などの形で)…の気持ちをもつ。 「全幅の信頼を-・く」 「信用の-・ける人物」
露や霜が葉や地面に生ずる。おりる。 「葉に-・いた露」 「秋されば-・く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ/万葉集 3699
(補助動詞) 動詞の連用形に接続助詞「て(で)」を添えた形に付く。
動作の結果がきちんと残るようにする意を表す。 「メモして-・く」 「いいのを選んで-・く」
その状態をそのまま続ける意を表す。 「故障した自転車をほうって-・いたらさびついてしまった」 「蔵にしまって-・く」
その状態を認めて、そのままにする意を表す。 「悪口を言う奴には勝手に言わせて-・け」 「私のことはほって-・いて下さい」
あとに起こる事柄を予想して、前もって…する意を表す。 「話をする前にあらかじめ原稿に目を通して-・く」 「訪問する前に電話をして-・こう」 「一通り読んで-・きなさい」
当座の処置としてひとまず…する意を表す。 「もう締め切りは過ぎているが一応あずかるだけあずかって-・く」 → とく(連語)
[可能] おける
[慣用] 一目- ・ 重きを- ・ 霜を- ・ 算盤そろばんを- ・ 念頭に- ・ 野に-風上に置けない ・ 眼中に置かない ・ 気が置けない ・ 下にも置かない ・ 隅に置けない
[表記] おく(置・措・擱
「置く」は“設置する。すえる。間をあける”の意。「本を机の上に置く」「大阪に支社を置く」「担当医師に信を置く」「冷却期間を置く」  「措く」は“除外する。ほうっておく”の意。「費用の事はひとまず措く」「冗談はさて措いて」「彼を措いて適任者はいない」  「擱く」は“終わりにする”の意。「置く」とも書く。「筆を擱く」
[句項目] 措く能わず

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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