羽瀬・羽賀瀬・羽風・波働(読み)はがせ

精選版 日本国語大辞典 の解説

はがせ【羽瀬・羽賀瀬・羽風・波働】

〘名〙 近世前期、日本海海運の主力として北国船とともに活躍した廻船の船型の呼称。日本海側独自の中世廻船の技術を濃厚に残した船型・構造をもつ百石から七、八百石積の荷船で、船底材や外板の結合に釘を使わないで、ちぎりとたたらで厚い板をはぎ合わせて造るため、きわめて堅牢なのが特徴。また、近世廻船にみられる台や垣立もなく、単に波除け板を舷側に立てる簡素な上廻り構造をもつ。船型は平底で莚帆を使用するため、弁才船に比べて帆走性能が悪く、漕櫓用の水夫を多数必要としたところから、経済性に優れた弁才船にとってかわられ、近世後期には越前・若狭・丹後などの廻船にしか使われなくなった。はがせそ。はがいそ。うずら。〔和漢船用集(1766)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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