習・慣・馴・倣(読み)ならう

精選版 日本国語大辞典 「習・慣・馴・倣」の意味・読み・例文・類語

なら・う ならふ【習・慣・馴・倣】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① いままでにしばしば体験して常のこととなっている意を表わす。また、動詞の連用形に付いて、…するのを常とする、…しなれている、の意を添える。
(イ) なじみとなる。熟達する。なれる。なれている。
書紀(720)欽明即位前(寛文版訓)「余(をのれ)年幼(わか)ふ識(さとり)(すくな)くして未だ政事を閑(ナラハ)ず」
(ロ) 習慣となる。癖になっている。
※枕(10C終)九九「さらば、取りおろして。例の、はひぶしにならはせ給へる御前たちなればとて、まかなひ騒ぐ程に」
② なれ親しむ。親しくなる。
※竹取(9C末‐10C初)「かの国の父母の事も覚えず、ここにはかく久しく遊び聞えてならひ奉れり」
③ (倣) すでにある事、類似のことなどにまねる。追従する。模倣する。従う。準ずる。
古事記(712)中「能(よ)く許曾(こそ)〈此の二字は音を以ゐる〉神習はめ」
[2] 〘他ワ五(ハ四)〙 (習) 繰り返し経験することによって身につける。
① 体験する。体得する。
源氏(1001‐14頃)宿木「故みこの御山住みを見そめ給ひしよりぞ、〈略〉なべての世をも思ひめぐらし、深き情けをも、ならひ給ひにける」
② 学習する。習得する。まなぶ。
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「躬(み)には梵言を習(なラヒ)、毗尼の奥旨を覧(み)たり」
③ 稽古する。訓練する。
※書紀(720)天智七年七月(北野本訓)「時に、近江国、武(つはもの)を講(ナラフ)。又多(さは)に牧(むまや)を置きて馬を放つ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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