老人性疣贅(脂漏性角化症)(読み)ろうじんせいゆうぜいしろうせいかくかしょう(英語表記)Verruca Senilis

家庭医学館 の解説

ろうじんせいゆうぜいしろうせいかくかしょう【老人性疣贅(脂漏性角化症) Verruca Senilis】

[どんな病気か]
 中年以降に、顔、躯幹くかん)(胴体(どうたい))などにみられる直径1cmほどの黒褐色の腫瘍(しゅよう)です。周囲との境界ははっきりしており、形状は扁平(へんぺい)またはドーム状に隆起しています。表皮の老化による変化とも考えられているため、老人性のいぼ(疣贅(ゆうぜい))といわれています。
[治療]
 小さいものは、液体窒素(えきたいちっそ)を含ませた綿球を腫瘍にあてる凍結療法を行ないます。10日前後で腫瘍は、かさぶた状になって取れてしまいます。やや大きいものでは、同じ治療を2~3回くり返す必要があります。さらに大きな腫瘍なら、局所麻酔をして外科的に切除します。切除した腫瘍組織を病理検査して確定診断します。
[日常生活の注意]
 老人性疣贅良性腫瘍ですが、黒色の皮膚腫瘍は基底細胞(きていさいぼう)がんや悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)などの悪性腫瘍である場合もあります。そのため、皮膚のいぼ状の変化に気づいたときは、専門医の診察を受けることをお勧めします。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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