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職員基本条例(案) しょくいんきほんじょうれい(あん)

知恵蔵の解説

職員基本条例(案)

行政職員の懲戒・分限免職など、処分の基準を明文化した条例案。2011年9月、橋下徹(現・大阪市市長)が代表を務める「大阪維新の会」が、教育への政治介入を図る「教育基本条例案」と共に、大阪府議会、大阪市議会、堺市議会に提出した。大阪府条例案の前文では、これからの都市間競争を勝ち抜くためには、新たな地域経営モデルが必要であり、その政策構築に向けて、新たな公務員制度が不可欠とうたっている。また、「『民』主体の社会を実現する」「『民』のため全力を尽くす」などと、「民」のための制度であることを強調している。
同条例案の前文には、年功序列の廃止と成果主義の導入も掲げられており、全53条からなる条文には、組織改廃に伴う余剰職員を「リストラ」できる規定、20年以上勤務した職員の指定出資法人等への再就職を禁じる規定(天下りの根絶)、知事直属の審査・調査機関「人事監察委員会」の設置なども盛り込まれている。部長・次長級等の幹部ポストは「準特別職」として、庁内と民間から任期付きで公募するという。
こうした厳罰・重罰主義による人事管理強化には、各方面から批判や疑問の声が上がっている。とりわけ争点となっているのが人事評価制度である。事前に5段階の割合を定めた「S(職員の5%)・A(30%)・B(50%)・C(10%)・D(5%)」の相対評価で行われ、その結果はポストや給与にも明確に反映される。2回連続して最低のD評価を受けた職員は、新設される「人事監察委員会」の審査を経た後、一般企業の「解雇」に相当する分限免職の対象となる。また、5回の職務命令違反または同一の職務命令に3回違反した場合も、分限免職となる。
同趣旨の条例案は、大阪市議会と堺市議会では否決されたが、大阪市では橋下市長の提案で、同じく否決された「教育基本条例」と共に、12年2月の市議会に再提出される見込みである。「大阪維新の会」が過半数を占める大阪府議会では継続審議となっており、12年1月に府総務部が修正案を作成している。松井一郎知事の要請を受けたものだが、人事評価制度は絶対評価に改められ、天下り禁止条項も「職業選択の自由に反する」という理由で削除された模様。相対評価に固執する松井知事はこれを不服とし、見直した上で再提案する方針である (2012年1月末時点) 。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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