脈・脉(読み)みゃく

精選版 日本国語大辞典 「脈・脉」の意味・読み・例文・類語

みゃく【脈・脉】

〘名〙
① 動物の体内で血液の流通する管。血管。ちのみち。〔文明本節用集(室町中)〕
② 「みゃくはく(脈搏)」の略。
※竹むきが記(1349)上「いかなる心地にか、いとあやしきを、脈なんゆかしき。心み給はん」
※虎明本狂言・神鳴(室町末‐近世初)「おもしろひ所にみゃくが有な、中々人間は手にござる、かみなり殿のはかしらにござるとききまらした」
④ (医師がまず脈搏を調べて診察するところから転じて) 前途の見込み。先の望み。→脈がある脈がない
※第三者(1903)〈国木田独歩〉「又江間御自身の力で脈を取りかへす工夫もあるだらう」
⑤ 一つづきになっているもの。また、そのすじみち。山脈水脈鉱脈文脈人脈など。
草枕(1906)〈夏目漱石〉一「何でも谷一つ隔てて向ふが脉の走って居る所らしい」
⑥ 植物の葉などにあって、養分、水分などが流通する細い管。葉脈。〔植学啓原(1833)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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