腕弛(読み)かいだるい

精選版 日本国語大辞典 「腕弛」の意味・読み・例文・類語

かい‐だる・い かひ‥【腕弛】

〘形口〙 かひだる・し 〘形ク〙 (「かいなだるい(腕弛)」の変化した語)
① 腕がくたびれてだるい。
※天理本狂言・鬼の継子(室町末‐近世初)「女、此笠をもてば、かいだるい、おにに、もってたもれと云」
身体や身体の一部が疲れてだるい。かったるい。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・江戸八百韻(1678)何香「石筆に腕かいだるし野路の月〈安昌〉 油単の枕袖に松むし〈泰徳〉」
かいだる‐げ
〘形動〙
かいだる‐さ
〘名〙

かい‐だゆ・し かひ‥【腕弛】

〘形ク〙 (「かいなだゆし(腕弛)」の変化した語。「かいたゆし」とも) =かいだるい(腕弛)
※清慎公集(970頃)「悔しくも帰りにけるか唐衣かひだゆき迄返すかひなし」
かいだゆ‐げ
〘形動〙
かいだゆ‐さ
〘名〙

かいな‐だゆ・し かひな‥【腕弛】

※宇治拾遺(1221頃)一〇「経を、しばしがほども、ぬらし奉らじと思ひて、ささげ奉りしに、かひなだゆくもあらず」
かいなだゆ‐げ
〘形動〙
かいなだゆ‐さ
〘名〙

かいな‐だる・い かひな‥【腕弛】

〘形口〙 かひなだる・し 〘形ク〙 腕が疲れた感じで力がない。かいなだゆし。かいだゆし。かいだるい。
※雑俳・玉箒(1840)「海の渫取・腕だるいといはっせる」
かいなだる‐げ
〘形動〙
かいなだる‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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