膺(漢字)

普及版 字通 「膺(漢字)」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] ヨウ・オウ
[字訓] むね・あたる・いだく・うつ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(よう)。は胸に鳥を抱く形、おそらく「うけひ狩り」に用いる鷹を抱く形で、鷹狩りによって首尾を卜し、神の応答を求める意である。それで「應(応)(こた)ふ」「膺(あた)る」はみなに従う。〔説文〕四下に「匈(むね)なり」、また〔倉頡〕に「上の骨なり」とあり、漢碑には膺の月(肉)を骨にかえる形の字がある。〔説文〕勹(ほう)部九上に「匈(きよう)は膺なり」とあって、互訓金文の〔毛公鼎〕「大命を受(おうじゆ)す」は、〔書、君陳〕「多膺受(おうじゆ)す」と同じ語。〔詩、魯頌、宮〕「戎狄を是れ膺(う)つ」のように、膺懲の意にも用いる。

[訓義]
1. むね、むなもと、むなさき、むなわき、むなぼね。
2. あたる、むねにあてる、いだく、うける。
3. うつ。
4. 壅(よう)と通じ、ふさぐ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕膺 宇自留(うじる)〔名義抄〕膺 ウク・アタル・ムネ・シタシ・ムツマジ・アツマル 〔字鏡集〕膺 ムツマジ・アツカル・アタル・アタタカ・ヨル・ウク・シタシ・アツマル・ユク・ムネ

[語系]
膺・・應ingは同声。は「うけひ狩り」の鷹を抱く形。膺・應はその声義をうける。臆ikはその入声の語。ともに胸臆(きようおく)の意があり、また予測して膺るという語意の上に関連がある。同系の語とみてよい。

[熟語]
膺受膺運・膺臆膺荷膺期膺選・膺懲膺図膺肺膺保膺奉膺命・膺
[下接語]
胸膺・欽膺・鉤膺・拊膺・服膺・保膺・抱膺

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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