至て(読み)いたりて

精選版 日本国語大辞典 「至て」の意味・読み・例文・類語

いたり‐て【至て】

〘副〙 (動詞「いたる(至)」の連用形に、助詞「て」が付いて一語化したもの。程度の甚だしいさまを表わす) とても。非常に。まったく。
続日本紀‐天平宝字八年(764)九月二〇日・宣命「至(いたりテ)(きよ)く仏の御法を継ぎ隆(ひろめ)むと」
古今著聞集(1254)二「しかれども慈悲いたりて深きが故に」
[語誌]漢文訓読特有語で、和文系の「いと」に対応する。後に音便形の「いたって」が使われるようになる。

いたっ‐て【至て】

〘副〙 (「いたりて」の変化した語) 非常に。きわめて。全く。
曾我物語(南北朝頃)一二「親子恩愛のいたって切なる事」
日葡辞書(1603‐04)「Itatte(イタッテ) ソレホド ゾンゼヌ〈訳〉その事について私はそう深く根本的には知らない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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