花王(株)(読み)かおう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「花王(株)」の意味・わかりやすい解説

花王(株)
かおう

せっけん・洗剤その他の油脂製品、化学品などの大手メーカー。1887年(明治20)長瀬富郎(とみろう)(1863―1911)が東京・日本橋馬喰(ばくろ)町に洋小間物商長瀬富郎商会として創業。苦心のすえ1890年に外国製品に劣らぬ品質のせっけん製造に成功、「花王石鹸」として発売した。1911年(明治44)合資会社、25年(大正14)花王石鹸株式会社長瀬商会に改組。1935年(昭和10)大日本油脂、40年日本有機を設立、第二次世界大戦中は台湾、中国東北にも進出。1954年(昭和29)前記2社を合併して花王石鹸、さらに85年花王に社名変更した。多くの新製品を開発、1982年には化粧品に進出するなど、家庭向け製品も多様化させ、また85年にはメディア関連事業に参入した(1998年撤退)。2006年(平成18)カネボウ化粧品子会社化。資本金854億円(2008)、売上高1兆3185億円(2008。連結ベース)。和歌山工場など8工場と3研究所、子会社および関連会社は国内、海外あわせて54を数える。

[森 真澄

『日本経営史研究所・花王株式会社社史編纂室編纂『花王史100年 1890~1990年』(1993・花王)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android