苓北(町)(読み)れいほく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「苓北(町)」の意味・わかりやすい解説

苓北(町)
れいほく

熊本県南西部、天草郡(あまくさぐん)天草下島(あまくさしもしま)の北西端にある町。1955年(昭和30)富岡(とみおか)町と志岐(しき)、坂瀬川(さかせがわ)の2村が合併改称し、町制施行。1956年都呂々(とろろ)村を編入。富岡湾に注ぐ志岐川下流域の低地ならびに都呂々川、年柄(としから)川、松原川沿いの樹枝状低地と低山地からなる。国道324号、389号が通じる。1960年代末まで無煙炭と陶石の採掘が盛んだったが、志岐炭鉱は1975年閉山した。現在は、1972年に完成した灌漑(かんがい)用志岐ダムからの給水によってレタスの産地形成化が確立したほか、傾斜地のミカン園も大規模に進んでいる。ウニアワビなどの漁獲にも恵まれている。北西端の富岡半島は雲仙天草国立公園に属し、海域公園、海水浴場、富岡城跡など観光資源に恵まれ、天然の良港である富岡港からは、富岡―茂木(長崎県)間に高速船が運航している。面積67.58平方キロメートル、人口7114(2020)。

[山口守人]

『『苓北町史』(1974・苓北町)』


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