英宗[元](読み)えいそう[げん](英語表記)Ying-zong; Ying-tsung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「英宗[元]」の意味・わかりやすい解説

英宗[元]
えいそう[げん]
Ying-zong; Ying-tsung

[生]大徳7(1303)
[没]至治3(1323)
中国,元の第5代皇帝 (在位 1320~23) 。格堅皇帝 (ゲゲン・ハン) ともいう。諱は碩徳八剌 (シデバラ) 。諡は睿聖文孝皇帝。延祐3 (16) 年武宗の長庶子和世ら (ホシラ) をさしおき 14歳で立太子。中書右丞相テムデル (鉄木迭児)と興聖太后の意志によったので,即位後太后の支持を背景にテムデルが専権をふるったが,至治2 (22) 年の両人死後,初めて英宗の親政が確立した。まずバイジュ (拝住)を中書右丞相に任じ,テムデル一派の粛清による政治腐敗の改革に着手。科挙を継続し,大元通制頒布によって法制を正し,禁軍を強化するなど皇帝権伸張に努力した。しかし再粛清を恐れたテムデル一派の御史大夫テクシ (鉄失)らにバイジュとともに殺された。

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