草加(市)(読み)そうか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「草加(市)」の意味・わかりやすい解説

草加(市)
そうか

埼玉県南東部にある市。市域の南部は東京都足立(あだち)区に隣接する。1958年(昭和33)市制施行。2004年(平成16)特例市に移行。中川流域の沖積地域で、自然堤防と低湿地とからなる。東武鉄道伊勢崎(いせさき)線が通じ、国道4号、298号が通り、東京外環自動車道の草加インターチェンジがある。市街地は自然堤防上に位置し、江戸時代は奥州街道の宿場町として栄え、5、10の日には市(いち)が立った。街道の綾瀬(あやせ)川沿いに松並木が残っている。かつては県東部の穀倉地帯の一角を担っており、名物の「草加煎餅(せんべい)」もこの地方産のくず米の使用が起源だといわれる。

 都心から20キロメートル圏にあるため、都市化が進み、1963年の松原団地の造成、1966年の営団地下鉄日比谷(ひびや)線(現、東京地下鉄日比谷線)の乗り入れを契機に、住宅が急増した。また工業は、1960年代に草加および草加八潮(やしお)工業団地の造成により、紙、パルプ薬品、ゴム、油脂などの大工場が誘致され、中小工場も増加し、県内第8位の製造品出荷額(2018)を示している。この結果、市の人口は急増し、地盤沈下等の公害もおこっている。草加駅東口や谷塚(やつか)駅周辺では、駅ビル高層ビルが建設され、再開発が進んでいる。独協大学所在地。面積27.46平方キロメートル、人口24万8304(2020)。

[中山正民]

『『草加の歴史』(1963・草加市)』『『草加市史』全10巻(1985~2001・草加市)』


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