荒城・殯(読み)あらき

精選版 日本国語大辞典 「荒城・殯」の意味・読み・例文・類語

あら‐き【荒城・殯】

〘名〙 葬儀の準備や山陵造りが整うまで死体を棺に納めてしばらく仮に置いておくこと。また、その所。期間は一定せず、大化前代では一年程であったが、後世では短縮された。もがり。
万葉(8C後)三・四四一「大君の命かしこみ大荒城の時にはあらねど雲陰ります」
[語誌]挙例の「万葉」に「大荒城」とあるが、「新城」の意といわれ、墳墓をオクツキ(奥つ城)というのに対する。アラキは生死の境にいる者に対する招魂蘇生儀礼の行なわれる期間とみられ、生物的死から社会的死への通過期と考えられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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