葦根の(読み)あしのねの

精選版 日本国語大辞典 「葦根の」の意味・読み・例文・類語

あしのね‐の【葦根の】

① 「ね」の音のくりかえしから、「ねもころ」にかかる。
万葉(8C後)七・一三二四「葦根之(あしのねの)ねもころおもひて結びてし玉の緒といはば人解(と)かめやも」
② 葦には節(よ)があるところから、「夜」「世」または「よ」の音で始まることばにかかる。
※後撰(951‐953頃)恋四・八八七「難波女みつとはなしにあしのねのよの短くて明くるわびしさ〈小野道風〉」
③ 葦の根の節(よ)が短いところから、「短し」にかかる。
※続後撰(1251)夏・二一八「難波なるみつともいはじあしのねの短き夜半の十六夜の月〈藤原知家〉」
④ 葦の根は繁茂して分かれるところから、「わ」「分く」「分かる」にかかる。
※後撰(951‐953頃)恋二・六八〇「深くのみ思ふ心はあしのねのわけても人にあはんとぞ思ふ〈敦慶親王〉」
⑤ 葦の根は泥土(うき)の中にあるところから、「憂き」にかかる。
※後拾遺(1086)恋四・七七一「あしのねのうき身の程としりぬれば恨みぬ袖も波は立ちけり〈公円母〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android