蒴藋(読み)そくず

精選版 日本国語大辞典 「蒴藋」の意味・読み・例文・類語

そく‐ず ‥ヅ【蒴藋】

〘名〙 スイカズラ科多年草本州、四国、九州および中国の山野に生える。根茎から太い茎を直立し、高さ一~二メートル。葉は大形の羽状複葉で五~七個の小葉からなり対生する。小葉は長さ五~一五センチメートルの広披針形で縁に鋸歯(きょし)がある。夏、茎の先に大形の花序をつけ、白い小花を密生する。花冠は五裂し、径三~四ミリメートル。花序のところどころに黄色の杯状の腺体がある。果実は径約四ミリメートルの球形で赤く熟す。葉・根を乾燥したものは薬用としてリウマチ打撲傷あるいは下痢どめに用いる。漢名、蒴藋。くさにわとこ。くさたず。にわたず。オランダ草古名、そくとく。〔温故知新書(1484)〕

そく‐とく【蒴藋】

〘名〙 (「そくどく」とも) 植物そくず(蒴藋)」の古名。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

そく‐とう【蒴藋】

〘名〙 植物「そくず(蒴藋)」の古名。〔十巻本和名抄(934頃)〕

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デジタル大辞泉 「蒴藋」の意味・読み・例文・類語

そく‐ず〔‐ヅ〕【××藋】

レンプクソウ科の多年草。北海道を除く各地の山野に生え、高さ1~1.5メートル。葉は大形の羽状複葉。夏に白い小花が多数集まって咲く。実は小粒で赤く熟す。全草を乾かして入浴剤にする。くさにわとこ。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蒴藋」の解説

蒴藋 (ソクズ・サクトウ)

学名Sambucus chinensis
植物。スイカズラ科の多年草,薬用植物

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世界大百科事典(旧版)内の蒴藋の言及

【ニワトコ】より

…セイヨウニワトコS.nigra L.(英名European elder,bourtree)やアメリカニワトコS.canadensis L.(英名American elder)が植物園などで栽培され,ヨーロッパでは前種の実を発酵させワインをつくる。ソクズS.javanica Reinw.ssp.chinensisは草本で,一名クサニワトコと呼ばれ,葉や根は漢方で蒴藋(さくたく)といい,消炎に効があり,リウマチや骨折の治療に用いられる。【福岡 誠行】
[象徴]
 ニワトコ(セイヨウニワトコ)には二つの相反した象徴的意味がある。…

※「蒴藋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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