蕗の薹(読み)ふきのとう

精選版 日本国語大辞典 「蕗の薹」の意味・読み・例文・類語

ふき【蕗】 の 薹(とう・と)

蕗の若い花茎。香気とほろ苦い味が喜ばれ、焼いたり蕗味噌(ふきみそ)にしたりして賞味される。ふきじい。ふきのしゅうとめ。《季・春》 〔文明本節用集(室町中)〕
※俳諧・猿蓑(1691)四「むめの木や此一筋を蕗のたう〈其角〉」
[語誌](1)トウは野菜などの花茎が伸びて食用にならなくなることをいう「トウが立つ」からではなく、「蕗〈略〉花訓布木乃登宇」〔本朝食鑑‐三〕とあるようにフキノトウで花全体を指すものと意識されていたものと思われる。
(2)近世に入るとフキノシュウトメという呼称が広まったようで、その語源について苦味があるからとか、「麦と姑は踏むが良い」といって寒冷地で土を割る頃踏みつける習慣によるなどといわれるが、定かではない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「蕗の薹」の意味・読み・例文・類語

ふき‐の‐とう〔‐タウ〕【×蕗の×薹】

早春フキ根茎から出る若い花茎。香りと苦みを賞味する。 春》「―ふみてゆききや善き隣/久女
[類語]花茎地下茎根茎球茎塊茎鱗茎芋蔓

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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