薬罐・薬鑵・薬缶（読み）やっかん

精選版 日本国語大辞典

やっ‐かん ヤククヮン【薬罐・薬鑵・薬缶】

〘名〙

① ＝やかん（薬罐）①

※咄本・軽口大矢数（1704‐16頃）狸の七化け「或は盥、又はやっくゎんなどに化けたり」

② ＝やかんあたま（薬罐頭）

※浄瑠璃・倭仮名在原系図（1752）一「イヤ薬鑵(ヤックヮン)めが鬼灯(ほほづき)首、かまきにせん」

や‐かん ‥クヮン【薬罐・薬鑵・薬缶】

〘名〙

① (もと薬を煮るのに用いたところからいう) 銅、真鍮、アルマイトなどで作った、鉄瓶に似た容器。湯沸かし。やっかん。

※鎌倉殿中以下年中行事（1454か）正月五日「薬鑵など参時は、右の手にてはつるを取、左の手にては口のもとを取」

② 「やかんあたま（薬罐頭）」の略。

※随筆・独寝（1724頃）下「かしらは薬鑵、髪は三輪索麺、鵺の様なる年になるまで」

出典　精選版 日本国語大辞典