藤原師尹(ふじわらのもろただ)(読み)ふじわらのもろただ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

藤原師尹(ふじわらのもろただ)
ふじわらのもろただ
(920―969)

平安中期の公卿(くぎょう)。父は摂政関白忠平(せっしょうかんぱくただひら)、母は右大臣源能有(よしあり)の女(むすめ)昭子。967年(康保4)左大臣となり蔵人所(くろうどどころ)別当を兼ねた。2年後に起きた安和(あんな)の変では、源満仲(みつなか)の密告を採用して関白藤原実頼(さねより)に勧めて左大臣源高明(たかあきら)を大宰権帥(だざいのごんそち)に左遷した。これに成功した師尹は、高明にかわって左大臣となったが、7か月ほどで没する。藤原氏による他氏排斥事件の最後とみられている安和の変の主謀者として、師尹が有力視されており、彼の早い死はその報いだといううわさがあった。

[朧谷 寿]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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