藤原範宗(読み)ふじわらののりむね

朝日日本歴史人物事典 「藤原範宗」の解説

藤原範宗

没年:天福1.6.18(1233.7.26)
生年承安1(1171)
鎌倉時代の歌人。治部少輔基明の子。母は民部少輔源延俊の娘。俊憲の孫で信西の曾孫に当たる。蔵人,安芸守,丹後守,中宮亮などを経て,嘉禄1(1225)年,非参議従三位に至る。いわゆる新古今期の後鳥羽院歌壇には参加していないが,順徳天皇内裏歌壇では常連として活躍,承久の乱(1221)までそのほとんどの歌合,歌会に出席した。また道家,教実ら九条家の和歌行事にも参加,乱後も貞永1(1232)年「石清水若宮歌合」や「洞院摂政家百首」などに出詠。その家集『範宗集』(『郁芳三品集』)は自選かとされる。『新勅撰集』以下に14首入集。親交のあった藤原定家はその死を聞いて驚き,「昨今無常殊以悲痛」と慨嘆している。

(田渕句美子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原範宗」の解説

藤原範宗 ふじわらの-のりむね

1171-1233 鎌倉時代の歌人。
承安(じょうあん)元年生まれ。南家藤原俊憲(としのり)の孫。蔵人(くろうど),安芸守(あきのかみ),中宮亮(ちゅうぐうのすけ)などをつとめる。嘉禄(かろく)元年(1225)非参議従三位。順徳天皇の内裏の歌壇で活躍し,九条家の和歌行事にも参加。家集「郁芳三品集」(「範宗集」)があり,「新勅撰和歌集」以下の勅撰集に14首のる。天福元年6月18日死去。63歳。

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