藻岩山(読み)モイワヤマ

デジタル大辞泉 「藻岩山」の意味・読み・例文・類語

もいわ‐やま〔もいは‐〕【藻岩山】

北海道札幌市南区にある山。標高531メートル。頂上付近に柱状節理が見られる。北東斜面の広葉樹が茂る原始林は「藻岩山原始林」として国の天然記念物指定されている。

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日本歴史地名大系 「藻岩山」の解説

藻岩山
もいわやま

札幌市街中心部から南西に約五キロ、同市南区の北部に位置する。標高五三一メートル。新第三紀の基盤岩に更新世初頭の安山岩質溶岩が噴出して形成された。浸食が進んで丸みを帯び、山麓には岩屑性緩斜面が発達している。「後方羊蹄日誌」に「西岸にエンカルシベ小山と云山有。椴木立也。往古より山霊著しき由にて土人等深く信仰せり。余は此処に蝦夷惣鎮守の宮を建んことを建白す。其議未だに否を聞ず」とある。この「エンカルシベ」は当山にあたり、明治六年(一八七三)の札幌郡西部図(北海道大学附属図書館蔵)も当山を「エンカルシベ」と記し、北方の円山を「モイワ山」としている。同二九年の仮製五万分一図では当山を「藻岩山」とし、円山も現在の円山をさしている。

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改訂新版 世界大百科事典 「藻岩山」の意味・わかりやすい解説

藻岩山 (もいわやま)

北海道札幌市南西部にある山。標高537m。山体は新第三紀安山岩類からなり,ほぼ全山が樹木におおわれる。北東斜面はシナノキイタヤカエデシラカバなどの広葉樹林が密生し,藻岩原始林として天然記念物に指定されている。山頂からは札幌市,石狩平野一望でき,ロープウェーリフト,有料観光道路などが通じる。山腹に原始林館,原始林牧場があり,南斜面は冬季スキー場となる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藻岩山」の意味・わかりやすい解説

藻岩山
もいわやま

札幌市南区にある山。標高531メートル。新第三紀輝石安山岩からなる。頂上から市内の3分の2を見渡すことができ、石狩平野や樽前(たるまえ)山、恵庭(えにわ)岳などの山々が望める。北東斜面は冷温帯広葉樹林に覆われ、国の天然記念物に指定されている。南西斜面は明治期の山火事で原始林が焼失、現在、スキー場に利用される。ロープウェー、観光道路が整備されている。山地を刻む谷や緩傾斜の侵食面は宅地化が進んでいる。

[奈良部理]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藻岩山」の意味・わかりやすい解説

藻岩山
もいわやま

北海道,札幌市南区にある低い山。標高 531m。中心市街地の南西方に位置し,新第三紀の安山岩から成る。頂上は札幌市,石狩平野を一望に収める景勝地で,登山道路,ロープウェーが通じ,冬季は山腹に藻岩スキー場が開設される。シナノキ,エゾイタヤなどの樹種から成る山腹の広葉樹林は,藻岩原始林の名称で,1921年天然記念物に指定された。

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事典 日本の地域遺産 「藻岩山」の解説

藻岩山

(北海道札幌市南区)
日本夜景遺産」指定の地域遺産(自然夜景遺産)。
標高531m。札幌市の碁盤目上に広がる街並みや石狩湾、南は恵庭岳まで一望できる。「北海道三大夜景」の1つ

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