蛍の光(読み)ほたるのひかり

精選版 日本国語大辞典 「蛍の光」の意味・読み・例文・類語

ほたるのひかり【蛍の光】

歌曲原曲スコットランド民謡。ロバート=バーンズが一七九四年に発表した「オールド‐ラング‐サイン」の歌詞のものが英米送別歌として普及日本では明治一四年(一八八一)「蛍」の題で文部省唱歌に選定され、のち「蛍の光」として卒業式や送別の会で愛唱されるに至った。

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デジタル大辞泉 「蛍の光」の意味・読み・例文・類語

ほたるのひかり【蛍の光】

スコットランド民謡「Auld lang syne(過ぎし日)」による歌曲。明治14年(1881)文部省編の「小学唱歌集」に掲載された。日本語作詞者は不明。別れの歌として卒業式などで歌われる。→オールドラングサイン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蛍の光」の意味・わかりやすい解説

蛍の光
ほたるのひかり

スコットランド民謡による唱歌原題はAuld lang syne(久しき昔)で、原曲の歌詞はスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズによって書かれた。1881年(明治14)文部省の音楽取調掛(とりしらべがかり)が編集した『小学唱歌集』初編に「蛍」の題名で収められ、その後広く愛唱されるようになった。日本語の作詞者は不詳。本来の歌詞は4節まであり、皆と別れて国を守るために戦地へ旅立つという、多分に軍国主義的な内容であったが、今日では「蛍の光窓の雪」に始まる第1節、「留まるも行くも限りとて」の第2節のみが歌われ、単に別れを惜しむ歌として卒業式などで歌われ、親しまれている。

[三宅幸夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「蛍の光」の意味・わかりやすい解説

蛍の光 (ほたるのひかり)

歌曲の名。学校の卒業式や送別の会で愛唱されている歌。原曲はスコットランド民謡詩人R.バーンズが作詞して1794年発表した《Auld Lang Syne(久しき昔)》で,イギリスアメリカでは送別歌として普及した。日本では文部省音楽取調掛編《小学唱歌集初編》(1881)に《蛍》の題で取り上げられ,のち〈蛍の光〉として広まった。日本語の作詞者は未詳旋律は日本の民謡音階と同じ5音音階からなり,日本人に親しみやすい性格をもつ。
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百科事典マイペディア 「蛍の光」の意味・わかりやすい解説

蛍の光【ほたるのひかり】

歌曲の題名。スコットランドの民謡詩人R.バーンズが1794年に発表した《Auld Lang Syne(久しき昔)》が原曲。英国,米国で送別歌として普及,日本では1881年に《小学唱歌集初編》に取り上げられ,のち卒業式や送別会で歌われるようになった。日本語詞の作者は未詳。
→関連項目唱歌バーンズ

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デジタル大辞泉プラス 「蛍の光」の解説

蛍の光

日本の唱歌の題名。作詞:稲垣千穎、曲はスコットランド民謡に基づく。発表年は1881年。卒業式によく歌われる歌として知られる。2007年、文化庁と日本PTA全国協議会により「日本の歌百選」に選定された。

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世界大百科事典(旧版)内の蛍の光の言及

【バーンズ】より

…亡き乙女にささげる哀傷の歌《ハイランド・メアリー》,魔女カティーサークの跳梁(ちようりよう)する《シャンターのタム》,人間も同じ哀れな仲間と自嘲する《ねずみ》,風刺的な《悪魔へのあいさつ》,俗臭のする《陽気な乞食》などが代表作である。日本でも親しまれている歌曲は,《蛍の光》の原曲《オールド・ラング・ザイン》,《ライ麦畑をこえて》《アフトンの流れ》《恋する娘は赤いバラ》など数多い。詩を知識人の独占物としないで,大衆の心に訴えるものとしたところに,ロマン派の先駆詩人としての彼の価値がある。…

※「蛍の光」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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