蠟型鋳造(読み)ろうがたちゅうぞう

世界大百科事典(旧版)内の蠟型鋳造の言及

【金銅仏】より

…なお,小像では芯となる土型を用いずに,原型の全部を蜜蠟で作る場合があり,そうしてできた像は内部まで銅のつまったいわゆる無垢(むく)の像となる。蠟型鋳造は,外型を原型からはずさずに複雑な形態の原型を一度に鋳造できることが最大の特徴である。前述の薬師寺像は中尊の像高が254.7cmであるが,これも蠟型による一鋳で作られている。…

【鋳金】より

…銅鐸の石鋳型が姫路市名古山(断片),赤穂市上高野(断片),大阪府東奈良(銅鐸の半面)から出土しており,これらは古い形式の銅鐸が多いことから,銅鐸の鋳造は前期は石鋳型が使用され,後代には土鋳型が使用されるようになったと推定されている。(2)蠟型(ろうがた)鋳造 蜜蠟をひねって原形を作り,これを鋳型土で包んで土鋳型を作製し,蠟を焼きぬいて,できた空間に溶銅を注入する技法。原形は蠟のみで形を作る〈ひねりもの〉の技法のほかに,鋳型土で中型を作り,この中型に蜜蠟に松やに(粘力を増すため)や油(柔軟にするため)を合わせた蠟をつけて原形を作り,その上に土と埴汁(はじる)(粘土汁)をまぜた土を塗りかけ,さらにその上を鋳型土で塗り固め,乾かしてから鋳型をかまどに入れて全体を火で焼いて中の蠟を焼きぬき,できた空洞に溶銅を注入する方法がある。…

【鋳造】より

…エジプトでは前5千年紀のバダーリ文化の遺跡から装身具用の留針やビーズなどが出土している。しかし前3千年紀には青銅の鋳造技術が高いレベルに達し,彫刻や,より複雑な形の鋳造に蠟型鋳造lost waxも考案されていた。サルゴンをあらわしたとされるニネベ出土の青銅の頭部(前2250年ころ)は当時の高い技術を示す好例である。…

※「蠟型鋳造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android