袱紗・服紗・帛紗(読み)ふくさ

精選版 日本国語大辞典 「袱紗・服紗・帛紗」の意味・読み・例文・類語

ふく‐さ【袱紗・服紗・帛紗】

〘名〙
① 糊(のり)を引いてない絹。やわらかい絹。略儀の衣服などに用いた。また、単に、絹。ふくさぎぬ。
※枕(10C終)二八二「狩衣は、香染の薄き。白き。ふくさ。赤色。松の葉色」
② 絹や縮緬(ちりめん)などで作り、紋様を染めつけたり縫いつけたりし、裏地に無地の絹布を用いた正方形の絹の布。贈物を覆い、または、その上に掛けて用いる。掛袱紗袱紗物
※浮世草子・好色一代男(1682)七「太夫なぐさみに金を拾はせて、御目に懸ると服紗(フクサ)をあけて一歩山をうつして有しを」
茶道で、茶器をぬぐったり、茶碗を受けたり、茶入・香合などを拝見したりする際、下に敷いたりする正方形の絹の布。茶袱紗、使い袱紗、出袱紗、小袱紗などがある。袱紗物。
※仮名草子・尤双紙(1632)上「紫のふくさに茶わんのせ」
④ 本式でないものをいう語。
洒落本・粋町甲閨(1779か)「『どうだ仙台浄瑠璃は』『ありゃアふくさサ』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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