裂帛・裂布(読み)さいで

精選版 日本国語大辞典 「裂帛・裂布」の意味・読み・例文・類語

さい‐で【裂帛・裂布】

〘名〙 (「さきで」の変化した語)
① 絹、または布の裁(た)ちはし。裁ち余りの布帛。布きれ。たちはずし。
※後撰(951‐953頃)哀傷・一四〇四・詞書法皇の御ぶくなりける時、にび色のさいてに書きて人におくり侍りける」
※枕(10C終)三〇「二藍(ふたあゐ)葡萄染(えびぞめ)などのさいての、おしへされて草子の中などにありける見つけたる」
② 特に、漆器の塗(ぬり)を業とする者が使う布きれをいう。
随筆・嬉遊笑覧(1830)二上「裁𥿻にても布にても裁端をさいてと云。今も塗師方にて漆を拭ふ布裁をさいでと云なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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