製網機(読み)せいもうき(英語表記)netting machine

改訂新版 世界大百科事典 「製網機」の意味・わかりやすい解説

製網機 (せいもうき)
netting machine

糸あるいは針金を結び,あるいは組み合わせて網(漁網,各種ネット)を作る機械。網地には結節(結び目)をもつものともたないものとがあり,結節には本目(ほんめ)と蛙股(かえるまた)とがある。表に製網機の種類を示す。本目編網機には手動による経(たて)網式と動力による緯(よこ)網式とがあるが,現在あまり使われていない。蛙股編網機は最もよく使用されているもので,ほとんど動力による緯網式である。経網は横方向にジグザグに走る糸を縦方向に結び合わせるもので,対称的なリング二つを作り,これに新しい網糸を通して既成部を引きしめると1列の本目結節ができる。緯網では,平行に並べられた糸(経糸)を舟形の杼(ひ)に入れられた糸(緯糸)で左右交互に,横方向に結び合わせて網地を作る。無結節網は網地糸の半分の太さの片撚(かたより)糸をボビンに巻き,このボビン2個で2子の網糸を作りながら,組紐(くみひも)の原理で隣の糸と組み合わせて作る。その装置は無結節組網機と呼ばれ,円型と横型とがある。もじ(綟)網はからみ(搦)織物(紗(しや))と同様な原理で作られ,糸がずれやすいので,改良もじ網が考案された。織網は粗い織物であり,ラッセル網は単糸経メリヤスと同様にループを作り,網糸を作りながら隣り合う2本の糸を組み合わせて網地を作る。最も古い製網機の特許は1738年,ホートンW.Hortonらによって取られている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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