見做・看做(読み)みなす

精選版 日本国語大辞典 「見做・看做」の意味・読み・例文・類語

み‐な・す【見做・看做】

〘他サ五(四)〙
① 実際はそうではないことを承知の上で、あるものを別のあるものであると考えて扱う。見たてる。
万葉(8C後)四・六九〇「照る月を闇に見成(みなし)て泣く涙衣濡らしつ干す人なしに」
② 見て、…だと判定する。判断する。みとめる。
※浜松中納言(11C中)一「あひいみじくにほひかをりて、眉ものよりけたかく見なし給ふに、くちびるは丹(に)といふ物塗りたるやうに」
③ そのようになるのを見とどける。待って、結果を見るようにする。
源氏(1001‐14頃)夕顔「命長くて、なほ位高くなどみなし給へ」
④ その方角に見るように動く。
※桂宮丙本忠岑集(10C前)「山しなの 山をうしろに みなしつつ」
⑤ 世話をして、りっぱに育てあげる。
※源氏(1001‐14頃)乙女「この君をだにいかで思ふさまにみなし侍らん」
性質のちがう事物を、ある一定の法律関係について同一視し、ある事物について生ずる法律効果を他の事物についても生じさせること。たとえば、失踪宣告を受けた者は、たとえ生存していても死亡したものとみなされ、未成年者が婚姻すれば成年に達したものとみなされるなど。

み‐なし【見做・看做】

〘名〙 そう思って見ること。見た目にそう感じられること。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「少ししづ心なきけしきなむ、みなしにやあらん、見えつる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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