見捨・見棄(読み)みすてる

精選版 日本国語大辞典 「見捨・見棄」の意味・読み・例文・類語

み‐す・てる【見捨・見棄】

〘他タ下一〙 みす・つ 〘他タ下二〙
① 見て知っているのに、そのままにほうっておく。見過ごす。
蜻蛉(974頃)中「いみたがへに、みな人ものしつるを、いだしたてて、やがてみすててなん」
※俳諧・千鳥掛(1712)上「はらからのあまたよはひかたふきて侍るも、見捨がたくて」
② 捨てて顧みないようにする。見かぎる。また、関係をたつ。
※竹取(9C末‐10C初)「見すて奉りてまかる空よりも、落ちぬべきここちする」
相手を後に残して去る、または、死ぬ。
源氏(1001‐14頃)若紫「ただ今、おのれみすてたてまつらば、いかで世におはせむとすらむ」
④ ある地点場所などを見て、そのまま通り過ぎる。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一五「永代橋の通を右に見捨(ミス)てて規々(すごすご)と下之橋の方へ引返す」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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