親生元素(読み)しんせいげんそ(英語表記)biophile element

百科事典マイペディア 「親生元素」の意味・わかりやすい解説

親生元素【しんせいげんそ】

V.M.ゴルトシュミットによる元素地球化学的分類において,生物圏に濃集しやすいとされる元素。C,H,O,N,S,P,Ca,Kなどのように生物体内に比較的多量に存在する元素のほか,Mg,B,NaMn,Zn,Feなどのように微量ではあっても生物体に必須(ひっす)の元素をも含める。→親気元素親石元素
→関連項目親鉄元素親銅元素

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「親生元素」の意味・わかりやすい解説

親生元素
しんせいげんそ
biophile element

地球表面で生物圏に集まったと考えられる元素(生物元素ということもある)。このうち炭素水素酸素窒素硫黄(いおう)、リン塩素などのように比較的多量に存在するものと、ホウ素カルシウムマグネシウムカリウムナトリウムバナジウムマンガン、鉄、銅、ヨウ素など少量あるいは微量でも生物の生活に重要な機能を果たすものとがある。

[中原勝儼]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「親生元素」の意味・わかりやすい解説

親生元素
しんせいげんそ
biophile element

地球の生物圏に多く見出される元素。 V.ゴルトシュミットによる元素の性質に関する地球化学的分類 (1922) の一つ。炭素,水素,酸素,窒素,リン,硫黄,塩素,ヨウ素を主とし,ホウ素,カルシウム,マグネシウム,カリウム,ナトリウム,バナジウム,マンガン,銅などもこれに含まれる。

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化学辞典 第2版 「親生元素」の解説

親生元素
シンセイゲンソ
biophile element

地球上に生物が出現し,生物内で行われる生化学的過程(生物体の構成濃縮,移動など)で主役を演じる元素の一群.C,H,O,N,P,S,Ca,K,Siがおもなもので,Mg,B,Mn,V,Cu,Feなどがこれに続く.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

岩石学辞典 「親生元素」の解説

親生元素

植物や動物に濃集する元素で,C, H, O, P, S, Cl, I, N, Ca, Mg, K, Na, V, Mn, Fe, Cuなどをいう[Goldschmidt : 1929, 1954].

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世界大百科事典(旧版)内の親生元素の言及

【元素】より

…この化学平衡関係による地球化学的配分によって,元素は親鉄元素,親銅元素,親石元素,親気元素に分類される(表5参照)。以上のほかに,生物圏に集まる親生元素がある。これには,C,H,O,N,S,Pのように量的に生物質の主体を占めるものと,微量ではあるが機能的に重要な生物活性に関与するものとがある。…

※「親生元素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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