観音平-天神堂古墳群(読み)かんのんだいらてんじんどうこふんぐん

国指定史跡ガイド 「観音平-天神堂古墳群」の解説

かんのんだいらてんじんどうこふんぐん【観音平-天神堂古墳群】


新潟県妙高市宮内・青田・籠町にある古墳群。頸城(くびき)平野の西縁は、西に妙高火山麓が裾野として広がり、周辺の傾斜地には中世の鮫ヶ尾城や弥生時代の集落跡である斐太(ひだ)遺跡があり、斐太遺跡の北と南に接してこの大古墳群がみられる。大正時代の分布図作成以来、数次の調査が行われ、北に位置する観音平古墳群では53基、南の天神堂古墳群では106基の古墳が確認され、両群とも最高所の古墳は標高100mを超える場所に築造されている。1999年(平成11)に発見された観音平1号墳は全長約27mのめずらしい帆立貝形前方後円墳で、古墳時代前期の3世紀後半築造の可能性がある。1957年(昭和32)の調査で判明した天神堂6号墳は、直径20mを超える古墳群最大規模の円墳で、石室はなく、土師器(はじき)片が出土した。1978年(昭和53)に北陸地方の大規模な古墳群として国史跡に指定されたが、先行する弥生時代の墳丘墓も認められ、前方後円墳の発見によって、より重要な遺跡となっている。JR信越本線新井駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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