角・稜(読み)かど

精選版 日本国語大辞典 「角・稜」の意味・読み・例文・類語

かど【角・稜】

〘名〙 (「かど(廉)」「かど(才)」とも同系か)
① 物のとがって突き出た部分。二次元の図形稜線にもいう。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「なだらかなる石、かどある岩など、拾ひたてたる中より、かはのわきたる、滝おちたる」
② 物のすみ。隅。
※多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「火鉢の一角(カド)を見ると、黄金の線巻(すぢまき)の指環が脱いて遺いてある」
刀剣の鎬(しのぎ)、または切先(きっさき)をいう。
万葉(8C後)六・九八九「焼太刀の加度(カド)打ち放ち大夫(ますらを)の祷(ほ)く豊御酒(とよみき)にわれ酔(ゑ)ひにけり」
④ 道や廊下などの曲がり目の所。曲がり角。
※虎明本狂言・二九十八(室町末‐近世初)「此町はむろ町なり。かどから十八間目、是であらふ」
⑤ 人の性格や言動が円滑でないこと。鋭敏できつい性格。圭角(けいかく)
※枕(10C終)二六九「おほかた心よき人の、まことにかどなからぬは、男も女もありがたきことなめり」
⑥ 事態を荒だてるような点。→かどが立つかどを立てる
浄瑠璃・信田森女占(1713)一「善悪きらりと見へた事しらぬふりするお手前は、心ていふとどき千万と詞に角をあらすれば」
⑦ きちんとしたけじめ格式。→かどを倒さぬ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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