記念・紀念(読み)きねん

精選版 日本国語大辞典 「記念・紀念」の意味・読み・例文・類語

き‐ねん【記念・紀念】

〘名〙
後日の思い出として残しておくこと。特別なもの、事柄、日などとして認めること。また、そのもの。思い出。かたみ。〔和蘭字彙(1855‐58)〕
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉一「此紐は紀念の為めに取って置いた」
② 忘れずに心にとどめておくこと。また、その物事。記憶。
※伊沢蘭軒(1916‐17)〈森鴎外〉二〇「古い記念(キネン)を喚び覚してゐる」
③ 過去のできごとに思いをいたし行事を行なうこと。またその行事。
※ジョンノックスの人物及び其事業(1905)〈植村正久〉「ジョン ノックスは今年其の誕生第四百年を紀念せられつつあり」
[語誌]表記については明治・大正期の辞書類などに「紀念、記念」の併記も見られるが、実際の用例としては、「紀念」の方が圧倒的に多かった。「記念」が一般化するのは昭和になってからのことである。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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