精選版 日本国語大辞典「詰ない」の解説
つまら【詰】=ない[=ぬ・ん]
① おさまりがつかない。落着しない。また、やりくりがつかない。金に困る。
※浮世草子・御前義経記(1700)二「ありかの知れぬお咄にて少しつまらぬ所あり」
※続鳩翁道話(1836)二「財布の中には、まだ一文の銭もたまらず、これはつまらぬ」
② 苦労のむくいがない。張り合いがない。ひきあわない。うまらない。
※洒落本・廻覧奇談深淵情(1803)其次「しょせんここでどうのこうのといった所がつまらねへ」
③ 不都合である。困る。窮する。
④ 物事に心がひきつけられない。意に満たない。興味がわかない。おもしろくない。
⑤ 対象としてとりあげるねうちがない。とるに足りない。価値がない。些細である。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「美しい女房を持ながらつまらねへ女を摘むやつもあり」
⑥ 道理に合わない。なっとくできない。ばかげている。
※仮名草子・ぬれぼとけ(1671)上「金銀・家をうしないて、身をほろぶるとのたまへども、いよいよ道理つまらぬなり」
⑦ 不必要である。無用だ。くだらない。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報