日本大百科全書(ニッポニカ) 「誕生寺(岡山県)」の意味・わかりやすい解説
誕生寺(岡山県)
たんじょうじ
岡山県久米(くめ)郡久米南(くめなん)町にある浄土(じょうど)宗の寺。栃社山(とちこそさん)浄土院と号する。浄土宗祖法然(ほうねん)(源空)の生誕の地に1193年(建久4)弟子の蓮生(れんしょう)(熊谷直実(くまがいなおざね))が創建したと伝える。円光大師(法然)二十五霊場の第一番とされる。のち領主宇喜多直家(うきたなおいえ)は念仏を忌み、日蓮(にちれん)宗徒とともに諸堂を破壊したが、宇喜多氏滅亡ののち住僧深誉(じんよ)らにより、知恩院の援助を受けて再建された。本尊は宗祖影像。境内は広く、御影(みえい)堂(本堂)、山門(以上、国重要文化財)、法然両親の尊廟(そんびょう)や産湯(うぶゆ)の井戸、誕生椋(むく)などがある。4月第3日曜日には法然両親追恩二十五菩薩(ぼさつ)大法要(練供養(ねりくよう))が営まれる。JR津山線誕生寺駅から徒歩10分。
[森 章司]
『高橋良和著『誕生寺』(1977・探究社)』
[参照項目] |
| |