読・詠(読み)よむ

精選版 日本国語大辞典 「読・詠」の意味・読み・例文・類語

よ・む【読・詠】

[1] 〘他マ五(四)〙 (声に出してことばや数などを、一つ一つ順に節をつけるように区切りを入れながら(唱えるように)言う行為を表わすのが原義)
① 声に出して一つ一つ区切りながら言う。
(イ) (一つ、二つ、三つ…のように)声に出して順にたどって数え上げていく。かぞえる。
万葉(8C後)一七・三九八二「春花の移ろふまでに相見ねば月日余美(ヨミ)つつ妹待つらむそ」
(ロ) (歌・詩・経典・文章などを)声をたてて、一区切りずつ、一音ずつたどりながらいう。声に出して唱えていく。唱えて相手に聞かせようとする。
※続日本後紀‐嘉祥二年(849)三月庚辰「其長歌詞曰〈略〉四万(よよろづ)に 八千巻添へて 誓ひ願ひ 読(よみ)奉り」
※枕(10C終)一五一「声はをさなげにてふみよみたる、いとうつくし
詩歌をつくる。詠ずる。
※竹取(9C末‐10C初)「本草につけて御歌をよみてつかはす」
③ 文章など書かれた文字をたどって見ていく。また、文章・書物などを見て、そこに書かれている意味や内容を理解する。
蜻蛉(974頃)上「このごろよむとてもてありく書とりわすれて」
④ (「訓」とも書く) 漢字字音国語の訓(くん)で表わす。漢字を訓読する。
平家(13C前)七「春の日とかいてかすがとよめば」
眼前事物・行為を見て、その将来を推察したり、隠された意味などを察知したりする。囲碁将棋などで、先の手を考えたり、相手の手筋を察知したりする意にもいう。→読める
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「Mind-reading (読心)といふ事ありて、他(ひと)の肚(はら)を読(ヨ)む女性のあるあり」
講釈師などが歴史上の事件などを仕組んで講ずる。
⑦ カルタ遊びをする。
浮世草子懐硯(1687)一「布袋屋がるたの十馬八九〈略〉小者とも壱文二文に読(ヨミ)て程なく」
[2] 〘マ下二〙 ⇒よめる(読)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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