諏訪神社(長崎市)(読み)すわじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「諏訪神社(長崎市)」の意味・わかりやすい解説

諏訪神社(長崎市)
すわじんじゃ

長崎市上西山(かみにしやま)町に鎮座。建御名方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀売(やさかとめ)命を主神とし、相殿(あいどの)に伊邪那岐(いざなぎ)命、伊邪那美(いざなみ)命、表筒之男(うわつつのお)命、中(なか)筒之男命、底(そこ)筒之男命の五神を祀(まつ)る。旧国幣中社。この神社はもと別々に鎮座していた諏訪・森崎・住吉(すみよし)の三神社を、1624年(寛永1)松森の地に合祀(ごうし)し社殿を創建したもの。室町時代末期(16世紀末~17世紀初め)ごろよりこの地にも切支丹(キリシタン)宗門が盛んとなり、彼らによって右三社も慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に破壊されたため、一社に合祀、再建された。1647年(正保4)、幕府長崎奉行(ぶぎょう)に命じて現在地(玉園山(たまそのやま))に遷座、壮大な社殿が造営された。1693年(元禄6)には霊元(れいげん)上皇より宸翰(しんかん)が授けられるなど朝廷・幕府の崇敬が厚く、長崎総鎮守として知られている。現在の社殿は、1868年(明治1)に10年余をかけて再建されたもの。例祭は10月8日。これを挟んで神事が1日から13日まで行われる。諏訪祭という。なかでも例祭を挟む前後3日間は「御宮日(おくんち)」とよばれる。有名な蛇(じゃ)踊りは7日に行われ、お旅所へ神輿(みこし)が渡御傘鉾(かさぼこ)・鯨(くじら)台など各種の奉納踊りでにぎわう。

[飯尾直樹]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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