諸訳・諸分(読み)しょわけ

精選版 日本国語大辞典 「諸訳・諸分」の意味・読み・例文・類語

しょ‐わけ【諸訳・諸分】

〘名〙
① いろいろな事情やわけ。特に情事に関するこみいった事柄。男女間の機微(きび)
※評判記・たきつけ草(1677)「いかほどしょわけをしたりがほの、女なりとも」
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三「義理と端手(はで)とは二道(ふたみち)に、諸分(ショワケ)を知ったおいらんと、気性を買った此藤兵衛」
② こまごまとした事柄、事情。特に遊里・色道のしきたり作法。また、遊女と客との駆け引きや人のとりさばき。
※仮名草子・都風俗鑑(1681)序「折にふれたる諸(ショ)分さまざまあり」
③ いろいろの費用。特に遊興のための諸費用。また、その支払い。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「春切米を借越つかはし参らせ候。此内二匁はいつぞやの諸分(ショワケ)その残りは皆合力(かうりょく)
④ いろいろに区別すること。また、その区別。
※役者論語(1776)佐渡嶋日記「すでにかづらに諸分(ショワケ)あり。老人のあたまは、古風なりとて、皆黒髪斗(ばかり)にても成難し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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