諾(漢字)

普及版 字通 「諾(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
16画

[字音] ダク
[字訓] こたえる・うけがう・ゆるす

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は(若)(じゃく)。は諾の初文で、のち諾の声義が分岐した。〔説文〕三上に「(こた)ふるなり」とあり、次条に「(おう)は言を以て對(こた)ふるなり」とみえる。は應(応)と同源の字で、心部の應はと同じく(よう)に従う。の初文。鷹の初文もに従い、は鷹を抱く形。鷹狩りは古く「誓(うけ)ひ狩り」として行われたもので、これによって神意の反応を確かめるものであった。に従う字は、みなその儀礼に関する字である。は若い巫女が両手をかざし、歌舞してエクスタシーの状態に入り、神意を承ける意。神の応諾するところを諾という。甲骨文にを諾の意に用いる。応諾はいずれも神意を問い、確かめる行為をいう。〔礼記、玉藻〕に「命じて呼ぶときは、唯(ゐ)してせず」とあり、唯という返事は速やかにして恭、諾は緩やかにして慢。すべて逆らわずに意のままに従うことを「唯々諾々」という。

[訓義]
1. こたえる。
2. うけがう、ゆるす。神がうけがい、ゆるす。
3. よろしい、はい。
4. わかる、諒解する、承知する、したがう。
5. さとる、自ら知る。
6. 承認のかきはん。

[古辞書の訓]
名義抄 ムベナフ・シタガフ・コタフ 〔立〕 ウケカヘニス・シタガフ・ムカフ・ウベナフ・ウタフ・コタフ

[語系]
naknjiakはもと同じ語。が多義化し、本来の神の応諾の意を示すためにが作られた。

[熟語]
諾已諾唯諾諾諾否
[下接語]
一諾・応諾・快諾許諾・謹諾・敬諾受諾宿諾承諾・然諾・内諾・服諾・黙諾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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