諾・宜(読み)うべなう

精選版 日本国語大辞典 「諾・宜」の意味・読み・例文・類語

うべ‐な・う ‥なふ【諾・宜】

(平安以降「むべなう」とも表記された)
[1] 〘他ハ四〙 (副詞「うべ」に活用語尾「なう」の付いた語) 「うべ」と思う。同意する。願い、要求などを聞き入れる。
※金剛般若経讚述仁和元年点(885)「此の経典を聞きて信(ウベナ)はむ心をもちて」
※大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)一「胡人許諾(ウベナヒ)て、言(われ)(〈注〉我也)、師を送りて五烽を過ぎむ」
[2] 〘自ハ四〙
① 服従する。配下となる。
書紀(720)神代下(水戸本訓)「其の不服(ウベナハ)ぬ者(もの)は、唯星の神香香背男(かかせを)のみ」
② 犯した罪に対して謝罪する。わびる。
※書紀(720)景行五六年八月(北野本訓)「時に蝦夷(えみし)の首師(ひとこのかみ)足振辺・大羽振辺・遠津闇男辺等叩頭(の)みて来(まうき)頓首(をが)む。受罪(ウベナヒ)て尽(ふつ)くに其の地(ところ)を献(たてまつ)る」

うべ‐な・む【諾・宜】

〘他マ四〙 =うべなう(諾)(一)
続日本紀‐天平神護元年(765)三月五日・宣命「天地の宇倍奈彌(ウベナミ)ゆるして授け賜へる人にもあらず」

むべ‐な・う ‥なふ【諾・宜】

〘自他ハ四〙 ⇒うべなう(諾)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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