普及版 字通 「謡(漢字)」の読み・字形・画数・意味
謡
常用漢字 16画
(旧字)謠
人名用漢字 17画
[字訓] うた・うたう・そしる・うわさ
[字形] 形声
旧字は謠に作り、(よう)声。もと(よう)に作る字で、〔説文〕三上に「は徒歌なり」とあり、謠字を収めない。〔詩、魏風、園有桃〕は、搾取に堪えかねて逃亡する隷農の詩で、その首章に「我歌ひ且つ謠ふ」の句がみえる。この謠は呪詛の意を含む語である。童謡の童は結髪を許されない徒隷、その労働歌は無為的な讖言(しんげん)として用いられた。〔左伝〕には童謡や、これと似た性質の「輿人(よじん)の誦」を多く録している。「輿人の誦」はいわゆる輿論(よろん)である。
[訓義]
1. うた、うたう、わざうた。
2. ひなうた、はやりうた。
3. そしる、うったえる。
4. うわさ、流言。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕謠 和佐宇太(わざうた)〔立〕謠 ウタフ・ワザウタ・ワザゴト 〔字鏡集〕謠 ウタフ・ウタ・ヒトリウタ・ハナツ・イタヅラウタ・ヲサム・ウヤマフ
[語系]
謠・・・jiは同声。みなの声義を承ける。は肉を供えて祈る意。みな呪祝・占(せんちゆう)に関する意を含む語である。
[熟語]
謡詠▶・謡謳▶・謡歌▶・謡吟▶・謡言▶・謡▶・謡誦▶・謡俗▶・謡▶・謡伝▶
[下接語]
謳謡・歌謡・吟謡・詩謡・俗謡・長謡・塗謡・童謡・風謡・諷謡・民謡・妖謡・俚謡
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報