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賜ふ・給ふ たまう

大辞林 第三版の解説

たまう【賜ふ・給ふ】

( 動四 )
「与える」の意の尊敬語。おあげになる。 「この歌は、ある人、あめのみかどの近江のうねめに-・ひけるとなむ申す/古今 恋四左注
「くれる」の尊敬語。くださる。 「草枕旅の翁と思ほして針そ-・へる縫はむ物もが/万葉集 4128
「(人を)つかわす」「派遣する」の尊敬語。おつかわしになる。 「このありつる人(=サッキノ人)-・へ/伊勢 62
〔「いざたまへ」の形で、上に来る動詞を省略して〕 その動作をするよううながす言葉。さあ…して下さい。 「いざ-・へ、もろともに見むよ/源氏
(補助動詞) 動詞または尊敬・受け身などの助動詞の連用形に付いて、
動作の主体に対する尊敬の意を表す。 ⓐ …てくださる。…てくれる。 「旅行きもし知らぬ君を恵み-・はな/万葉集 3930」 ⓑ なさる。お…になる。 「女御・更衣あまたさぶらひ-・ひけるなかに、すぐれて時めき-・ふありけり/源氏 桐壺」 ⓒ 〔助動詞「す」「さす」などとともに「せたまふ」「させたまふ」などの形で〕 帝みかどや高貴の人の動作に用いて、より程度の高い尊敬の意を表す。 「二月一日のほどに二条の宮へ出でさせ-・ふ/枕草子 278
〔上位の者の下位の者に対する動作を表す語に付けて〕 恩恵を与える意を表すのに用いる。…してやる。してつかわす。 「朕あれは汝みましの志をば蹔らくの間も忘れうましじみなも悲しび-・ひしのひ-・ひ大御泣おおみね哭かしつつおほまします/続紀 天応一宣命
(多く命令形「たまへ」の形で)男性が同輩または同輩以下の人に対して、軽い敬意または親しみの気持ちをこめていう。近世江戸語以降の用法。 「是々、屋敷は屋敷、爰はここぢや。平たいらにし-・へ/洒落本・辰巳之園」 「大愚先生もおかしな腰つ付きをして、そして何をきよろ〱さがして居-・ふのだ/滑稽本・七偏人」
( 動下二 )
飲食物をもらう意の謙譲語。いただく。 「鈴が音の駅はゆまうまやの堤井の水を-・へな妹が直手ただてよ/万葉集 3439」 「黒き白きの御酒みきを赤丹のほに-・へゑらき/続紀 天平神護一宣命
(補助動詞) 動詞(多く「聞く」「見る」「思ふ」など)の連用形に付いて、補助動詞として用いられる。
その動作を尊敬の対象とする者から受ける意を表す。…させていただく。 「総哲てちにして勤はげみ精進するひと、皆来りて同会に集れるを見-・へしかども/地蔵十輪経 元慶点
話し手または話し手側の動作を表す語に付けて、へりくだった丁寧な言い方にする。 「かしこき御心ざしを思ひ-・へ侍る/源氏 桐壺」 「かの大納言の御むすめものしたまふと聞き-・へしは/源氏 若紫」 「見-・へぬほどのことなども、あれは知りてはべめり/大鏡 昔物語」 〔下二段活用は四段活用から派生したもの〕

たもう【賜ふ・給ふ】

( 動四 ・動下二 )
たまう

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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