赤と黒(詩雑誌)(読み)あかとくろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤と黒(詩雑誌)」の意味・わかりやすい解説

赤と黒(詩雑誌)
あかとくろ

詩雑誌。1923年(大正12)1月創刊、同年5月に第4号を出し、翌1924年6月に号外を出して計5冊で終刊した。同人は岡本潤(じゅん)、川崎長太郎壺井繁治(つぼいしげじ)、萩原(はぎわら)恭次郎の4人で、のちに小野十三郎(とおざぶろう)と林政雄が参加した。創刊号の表紙に「詩とは爆弾である! 詩人とは牢獄(ろうごく)の固き壁と扉とに爆弾を投ずる黒き犯人である!」など刷り込んでおり、当時の民衆詩派に対する批判と詩的変革を求める動きの一つを示した。同人にはアナキズムの立場をとるものが多かった。冬至書房よりの復刻版(1963)がある。

[角田敏郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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