赤熊・赭熊(読み)しゃぐま

精選版 日本国語大辞典 「赤熊・赭熊」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐ぐま【赤熊・赭熊】

〘名〙
① 赤く染めた白熊(はぐま)(=ウシ科の動物ヤクの尾の毛)。払子(ほっす)、かぶりもの、かつらを作り、旗、槍、兜(かぶと)の装飾に用いる。〔文明本節用集(室町中)〕
※歌舞伎・昔噺額面戯(額抜け)(1879)「跡より猩々(しょうじょう)短き赭熊(シャグマ)の鬘、青海波の単衣、兵児帯にて駒下駄はき」
② (転じて) 赤い毛髪をいう。赤毛。また、赤ちゃけた髪。
浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)中「頭はしゃぐま、猫背中、鳩胸に顔は猿、まちっとで鵺(ぬえ)になる」
③ (もと①に似た赤毛を用いたところから) 縮れ毛で作った入れ毛。おもに、日本髪などを結うときにふくらませる部分に入れる。
※俳諧・洛陽集(1680)下「杉立(すぎたち)や赤熊(シャグマ)懸たる下紅葉〈我鴎〉」
※外科室(1895)〈泉鏡花〉下「丸髷でも、束髷でも、乃至しゃぐまでも何でも可」
⑤ 植物「おきなぐさ(翁草)」の異名

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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