蹴散(読み)けちらす

精選版 日本国語大辞典 「蹴散」の意味・読み・例文・類語

け‐ちら・す【蹴散】

〘他サ五(四)〙
① 蹴って、まとまっているものをこわし散らす。蹴って散乱させる。
義経記(室町中か)五「昨日降りたる雪を時の落花の如くけちらし、山下を指して下りけり」
② 追い散らす。
平家(13C前)七「肥後守貞能は、河尻源氏待つと聞いて、けちらさむとて五百余騎で発向したりけるが」
③ (比喩的に) 物事を乱したり、くずしたりする。破棄したり、相手にしなかったりする。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文一一「そんな相場にあわねへ直段じゃア買はねへと蹴(ケ)ちらして見たがなかなか負ねへやうすだネ」

け‐ちらか・す【蹴散】

〘他サ四〙 =けちらす(蹴散)
太平記(14C後)二三「大内野の芝生の花、露と共に蹴散(ケチラ)かし、当りを払って歩ませたり」

くえ‐はららか・す くゑ‥【蹴散】

〘他サ四〙 蹴散らす。
書紀(720)神代上「沫雪の若くし、以て蹴散(クヱハララカス)〈蹴散 此をば倶穢簸邏邏箇須と云ふ〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android